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1年のうち21の週末をコンペティションに費やす忙しいシーズンが、ようやく終わりを告げた! 佐藤琢磨は全15戦のIZOD インディカー・シリーズ(に加えて別にインディ500の予選で1週)を戦い、FIA世界耐久選手権(WEC)に2戦参戦し、フォーミュラ・ニッポンのイベントに3戦出場した。その最後を飾ったのが、フォーミュラ・ニッポンによる富士スプリントカップだった。
琢磨が富士を訪れたのは、1ヶ月ほど前のWEC富士に続いて今年2回目のこと。またしてもチーム無限が用意したスイフト・ホンダのステアリングを握ることになった琢磨は、このノンチャンピオンシップレースで好成績を挙げることを期待していた。 「素晴らしいイベントでした」と琢磨。「ありとあらゆるヒストリックカーが集まるグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードとはまったく異なりますが、ものすごくコンペティティブなマシーンが富士に集結するのです。フォーミュラ・ニッポンとスーパーGTのレースが1度に見られるなんて、本当に最高です。僕も様々なレースを見て楽しみましたし、ファンのみなさんにとっても素晴らしい1日になったと思います。お気に入りのマシーンやドライバーを間近に見ることもできますしね」 「フォーミュラ・ニッポンで富士を走るのは今回が初めてでしたが、金曜日のプラクティスは1時間しかありません。フォーミュラ・ニッポンのマシーンはセッティングに対してとても敏感ですが、僕たちはパフォーマンスを向上させるべく、様々なことを試しました」 土曜日の走行時間は予選だけ。それもスペシャルステージと呼ばれる形式で、これはたった1周のウォームアップと、同じく1周だけのタイムアタックで予選順位を決めるもの。しかも、今回はウェットとなった。「ウェットコンディションで1ラップだけのアタックをするなんて、本当に面白かったですよ! けれども、雨の菅生で思い知らされたのは、僕たちのマシーンがウェットコンディションではまるでコンペティティブではないということでした。そこで前回とはまったく異なるアプローチを試してみたところ、まずまずの感触が得られました。アタックする順番はチャンピオンシップのリバースオーダーとなるので、僕はとても早いタイミングでアタックしました。でも、セッションの途中で雨が少々強くなり始め、最後には止みかけたので、中ほどでアタックしたドライバーはついていなかったですね」 ここで琢磨は6番手グリッドを手に入れる。「3列目に並べてよかったと思います。この日は数分ほどしかマシーンに乗っていませんでしたが、この日もイベントは盛りだくさんで、生憎のウェットになりましたがファンの皆さんは楽しんでいる様子でした」 レースはドライになったが、琢磨の思い通りに事が運んだわけではない。「スタートは、少しホイールスピンが多めだったかもしれませんが、それほど悪くはありませんでした。ターン1には、アウト側からジョアオ・パウロ・デ・オリヴェイラと並ぶような形でアプローチしました。僕は彼らをオーバーテイクするつもりでしたが、僕のイン側にはふたりのドライバーがいてスリーワイドでのコーナーに進入していったのですが、残念ながら彼らはアウト側に寄ってきました。そこで僕もアウト側に膨らまなければならず、このため順位を落としてしまいました」 「その後は、とても難しいレースとなりました。とにかくひどいオーバーステアだったので、我慢のレースでした。僕たちはセットアップの改良に取り組みましたが、金曜日以降はテストの時間がありません。新しいアプローチで作り上げたクルマは比較テストや確認ができないまま本番に移らねばならず、狙っていた領域が外れてしまったようです。運転するのがとにかく辛い状況でした」 「したがって、レースそのものが楽しいというわけにはいきませんでしたが、チーム無限が多くのデータを解析してくれたことには勇気づけられました。僕はイベント全体の雰囲気を楽しみ、マシーンやファンの皆さんとともに楽しいひとときを過ごしました」 今後は、2013年のインディカー・シーズンに向け、できるだけ好条件のシートを手に入れることが琢磨にとっては最重要課題となるが、好ましい状況が整えば、もう1度フォーミュラ・ニッポンに乗ってみたいと思っているようだ。「チーム無限の皆さん、そして僕のフォーミュラ・ニッポン参戦を実現してくださった皆さんにお礼を申し上げます。来年もインディ・ジャパンは開催されないので、何らかの形で日本のレースに参加できればと考えています。日本のファンの皆さんの前で走れるのは、何よりも楽しいことですから。各サーキットやイベントでのたくさんのご声援をありがとうございました!」 written by Marcus Simmons |