RACEQUALIFYINGPRACTICE
COLUMN
COLUMN
Rd.12 [Sun,08 August]
Mid-Ohio Sports Car Course

ついに予選3位を獲得!
 アメリカとイギリスのロードコースについて詳しい人なら、先ごろインディカー・シリーズの一戦が開催されたミドオハイオで佐藤琢磨が抜群に速いことを予想できたはずだ。実際のところ、高速で、曲がり込んだコーナーがあり、高低差に富んでいてコース幅の狭いレイアウトは、琢磨が席巻した2001年イギリスF3選手権でお馴染のものである。

 そして、その予想が正しかったことが証明される。No.5をつけたKVレーシング・テクノロジーのダラーラ・ホンダと琢磨はミドオハイオで目の覚めるような速さを見せつけ、予選で3位、そして決勝では一時2位まで順位を上げたのである。けれども、残念なことにピットストップでのトラブルと、それを挽回しようとする最中に起きたアクシデントのため、レースの1/3が終わったところで琢磨は戦列を離れることとなった。

 「このサーキットは本当にオウルトンパークとよく似ています」と琢磨。「初めて走ったとき、すぐにそう思いました。僕たちはとうとう──本当にようやく!──、レースの前の週にテストをすることができました。ロードコースでのテストは、2月にバーバー・モータースポーツ・パークで行なって以来のことです。テストではたくさんのことを試せたので、とても意義深く、いい一日となりました。サポートレースの影響で、週末の路面コンディションは走るたびに変化するので、ひとつひとつの変更の影響を正確に比較する“バック・トゥ・バック・テスト”を行うことは難しく、時間的にも限りがあるため困難を極めます。これができるのはテストのときだけです。だからテストを行なう意味は大きく、今回も非常に充実したものとなりました」

 作業は金曜日のプラクティスでも続けられた。「順位はよくありませんでしたが、自分たちが何をしているのかわかっていたので、心配はありませんでした。この日は、順位よりも正確なデータが欲しかったのです。言いかえれば、テストのときから継続的な開発を行なっていたのです」

 土曜日には、その成果が順位となって表れた。最初の予選グループで3位、続くトップ12で競われる2回目の予選でも3位となり、ポールポジションを決めるファイアストン・ファスト6でもみたび3位の座を手に入れたのである。「乗るたびに自信が深まり、速くなっていきました」と琢磨。「セットアップを変更するごとにいい感触をつかみました。最初の予選グループは、ペンスキーの3台が組み込まれるなど、またしても強敵揃いとなりましたが、結果的には大変な接戦となりました」

 「今回もファイアストン・ファスト6に進出できて、本当に嬉しく思いました。ペンスキーとガナッシが速いのは明らかでしたが、接戦になることも予想されました。僕は自分にできることをすべてやりきり、結果として、ペンスキーやガナッシの間に割って入る3位を勝ち取りました。この結果には心から満足できました」

 そしてレースでも健闘が期待された……。「目の前にはウィル・パワーとダリオ・フランキッティのふたりだけ。そして隣はライアン・ハンター・レイ。本当に最高の眺めでした。素晴らしいバトルを繰り広げることができると、このときはワクワクしていました」
「スタートは順調で、僕はウィルの真後ろ、ダリオとはサイド・バイ・サイドの2番手に浮上しました。けれども、バックストレートでダリオは僕のスリップストリームを使い、追い越していきます。これで順位としては3位になりましたが、トップ2のふたりに追いついていけたので、最高の気分でした。後ろからはスコット・ディクソンが何度か仕掛けてきましたが、徐々に引き離しにかかります。そこからは燃料をセーブし始めましたが、それでもラップタイムは速かったので、エンジニアも満足していたようです」

 けれども、やがて歯車が狂い始める。コース上はフルコーションとなり、最初のピットストップは全車が一斉に行なうこととなった。「イエローが出なかったら、どんな結果になっていたかを考えると興味深いですね。けれども、残念ながらこのときのピットストップは長引いてしまいました。給油装置のトラブルだったようです。それでピットストップに長い時間がかかり、いくつも順位を落としてしまいました。リスタートでは、バックストレートでスコットに並びかけるチャンスを手に入れます。ブレーキングで完全にサイド・バイ・サイドとなりましたが、イン側はとても滑りやすく、そこでホイールをロックさせてコースアウトを喫しました。ものすごく残念でした」

 それでも、琢磨が決勝中に素晴らしいスピードを披露したことは間違いない。次戦は、2週間後にカリフォルニアのソノマ・シアーズポイントで開催される。しかも、嬉しいことにこのコースはミドオハイオとよく似ているのだ。ところで、レース前にひと仕事が待ち受けている。シアーズポイントと並ぶカリフォルニアの名コースであるラグナセカにミドオハイオから直行し、そこでスポンサーであるロータスのイベントに参加するのだ。「ラグナセカで3日間を過ごしてからソノマに向かい、金曜日にテストを行ないます。今回もテストできるのは本当に嬉しいニュースです。レースでも、いい走りをするつもりです!」

written by Marcus Simmons
▲TOPへ

TOPページへ戻る
takumasato.com
(C)T.S.Enterprise Japan LTD.
All rights reserved.


Powered by:
Evolable Asia Corp.